エアコンが部屋の温度を下げたり、上げたりするのに欠かせないエアコンの冷媒ガスについて紹介しています。冷媒ガスの役割や特徴とともに、ガス回収やガスチャージについても解説していますので、こちらの記事を読むと冷媒ガスのすべてがわかります。
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冷媒ガスの役割
室内機と室外機をつなぐ配管の中を冷媒ガスが循環しています。この冷媒ガスが空気中の熱を移動させることでお部屋の温度を上げたり下げたりしています。冷房の時は部屋の熱を吸収し室外機に移動させて外へ放出しています。この時、室内機で熱を奪われた部屋の空気は冷たくなり再びファンで部屋に戻されるため、室内機から冷たい風が出ていると感じるのです。
暖房の時は冷房の逆で、室外機が外の熱を吸収し部屋の中に移動させ温かい空気を送り込んでいます。また、部屋の中の冷たい空気は冷媒ガスによって室外機に送られて外へ放出しています。この熱の移動によって部屋の温度を調整しています。
冷媒ガスの歴史
時代の変化と共に様々な種類の冷媒ガスが開発されてきました。
2000年以前のエアコン製品には(指定フロン)R22の冷媒ガスが使用されていました。R22は大気へ放出するとオゾン層を破壊し地球環境へ悪影響を及ぼしてしまうため、2000年以降から各メーカーで(代替フロン)R410AやR407Cの製品が発売されました。
R410A はオゾン層への影響はありませんが、大気へ放出してしまうと地球温暖化に影響を及ぼしてしまいます。そのため、R410Aよりも地球温暖化の影響が少ないガスとして(代替フロン)R32を採用した製品が開発されました。
2012年秋ごろにダイキンよりR32の冷媒ガスを使用した製品が発売され、現在は主にR410AとR32の冷媒ガスを使用したエアコンが多く製造されています。
※旧冷媒R22は2020年に生産が終了しました。
冷媒ガスの種類と特徴
冷媒ガスは種類によって性質や工事内容が異なります。新冷媒R32は単一冷媒のため、足りない量だけを追加する「ガス補充」が可能ですが、R410Aは二種混合冷媒で、補充では組織バランスが崩れるため、ガス不足の場合はガスの入れ替え作業である「ガスチャージ」が必要になります。ガス補充とガスチャージではガスの使用量が違うため料金が異なります。
冷媒ガスの種類 | R22 | R410A | R32 |
---|---|---|---|
冷媒ガスの特徴 | 単一冷媒 | 二種混合冷媒 (R32+R125) |
単一冷媒 |
工事名 | ガスチャージ | ガスチャージ | ガスチャージ |
ガス補充 | ガス補充 |
※ガス補充:冷媒ガスが規定量に達していない場合に補充する作業です。
※ガスチャージ:冷媒ガスが全く入ってない場合に冷媒ガスを全量注入する作業です。真空引き作業を行った後に冷媒ガスを規定量注入します。
お客様のエアコンがどの冷媒ガスを使用しているか確認する場合は、室外機の正面もしくは側面をご確認下さい。メーカーによって位置は異なりますが、冷媒ガスの種類が記載されたシールが貼られています。また、冷媒ガスが必要な場合は現場で作業員が確認し、「ガス補充」もしくは「ガスチャージ」になるかを判断しご案内させていただきます。
ガス回収 (エアコン取り外し時)
ポンプダウンは室内機と配管内にある冷媒ガスを室外機へ送りこむ作業です。ポンプダウンを行う際にエアコンを冷房運転します。その時にお部屋の電気が使用できない場合はポンプダウンを行うことができません。お引越後にエアコン取り外し工事を行う場合は、電気が使用可能か確認をお願い致します。
ポンプダウンを行わずに室内機の取り外しを行うと、フロンガスが大気中に放出されてしまい環境汚染につながってしまうため、室内機取り外しの際は電気が使用可能な状態か確認をお願い致します。
ガス補充(エアコン取り付け時)
また、万が一冷媒ガスが漏れてしまい、十分な量が冷媒配管の中に入っていない場合は、熱の移動能力が低下し温度調節ができなくなってしまいます。お部屋が冷えない、もしくは暖かくならない場合は冷媒ガスが漏れている可能性があります。
作業員が確認した上で冷媒ガスが足りない場合はお客様へご案内させていただきます。当社でのガス補充は税込16,500円からとなっています。